2025.06.23
コラム
ロゴ・色・質感すべてに意味を持たせる。オーダーメイド設計の考え方

デザインは「好み」ではなく「戦略」である
ジュエリーケースにおけるデザインは、単なる装飾ではなくブランドの“意図”を伝えるための設計です。
ロゴの入れ方、色使い、質感の選び方——それに意味を持たせることで、顧客との認識のズレをなくし、ブランド価値を正確に届けることができます。
本記事では、オーダーメイドケースを活用した「伝わる設計」の考え方を、3つの要素に分けて解説します。
1.ロゴ:認知と信頼を形にする

ロゴは単なる飾りではなく、「このブランドの商品である」という証明であり、アイデンティティそのものです。
・箔押しロゴ → 高級感・格式・ブランドの重厚さ
・素押しロゴ → 控えめでナチュラルな印象
印字場所によっても印象は大きく変わります。外箱に施すのか、内装に施すのか——顧客が最初に視線を向ける場所に置くことで、ブランドとの接点を強めることができます。
2.色:第一印象を支配する重要な要素
「高そうに見える」「かわいらしい」「落ち着いていて信頼できそう」——色から受ける印象は想像以上に強く、購買判断にも大きく影響します。
・ブラック / ネイビー → 重厚感、信頼、ハイブランド
・アイボリー / ベージュ → 清潔感、柔らかさ、ナチュラル
・グレー / くすみカラー → トレンド感、ニュートラル、洗練
ターゲットや商品ジャンルに応じて色を設計することで、「このブランド、好き」と思ってもらえる初期印象をコントロールできます。
3.質感:“触れた瞬間”に伝わる印象をつくる
同じ形でも、素材の選び方で印象は大きく変わります。
・スエード調や布貼り → やさしくあたたかい印象、写真映え
・レザー調 → 引き締まった印象、高級感や重み
・マットな紙貼り → スタイリッシュ、現代的
ケースの質感は、ジュエリーとセットになったときの全体印象を左右するため、見た目だけでなく手触り・開閉音・重みなど五感に訴える設計を意識すると、体験価値が格段に高まります。
4.設計思想が、ブランドの差になる
オーダーメイドを導入する際に、「色は好きな色で」「ロゴはとりあえず中央に」といった決め方では、せっかくのカスタマイズの機会がもったいないものになってしまいます。
だからこそ、ブランドの立ち位置や顧客との関係性を踏まえ、“意味のある設計”を行うことが、他との差別化につながります。
5.「伝わる」パッケージに共通する3つの視点
オーダーメイドでケースや箱を設計する際に、箱フルでは以下の3つの視点を大切にしています。
1. ブランドストーリーに沿って設計する
単なる高級感ではなく、「なぜこの素材を使うのか」「なぜこの色なのか」を明確にすることで、ブランドの世界観が一貫します。
2. 使用シーンにマッチした仕上げ
たとえばギフト用、ジュエリー用、SNS映えを狙う撮影用など、用途に合わせてロゴサイズや加工方法も調整します。
3. 手に取ったときの体験を設計
目に見える情報だけでなく、開けた瞬間の質感や重さ、素材の温かみも「感動体験」の一部。そこに意味を持たせるのが、オーダーメイドの真価です。
6. “部分カスタム”でも伝わる世界観
「フルオーダーはハードルが高い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、箱フルではロゴ追加・素材変更・カラー調整など一部カスタムだけでも対応しています。
・ロゴを金箔でさりげなく入れる
・ブランドカラーと同じトーンのケースに変更
・中面だけ布素材にしてジュエリーとの調和を取る
こうした部分的な調整だけでも、お客様のブランドらしさが格段に際立ちます。
まとめ:細部への設計が、ブランドの完成度を高める
ロゴ、色、質感。それぞれを“なんとなく”で選ぶのではなく、「どんな印象を届けたいか」「どんな顧客に共感してほしいか」を明確にして設計することで、パッケージは単なる入れ物ではなく、ブランドの一部として機能します。
ブランドの印象は、言葉よりも「目に見える要素」で伝わることがほとんどです。
だからこそ、パッケージやケースのロゴの位置・色のトーン・素材の手触りといった細部が、お客様に与える印象を大きく左右します。
ロゴ:どの位置に配置されているか、どのように加工されているかで印象は変わります
色:ブランドカラーと統一されているか、商品の雰囲気と調和しているか
質感:ツヤあり・マット・布張りなど、素材感が演出する世界観
これらを適切にコントロールできるのが、オーダーメイド設計の強みです。
限られた予算やロット数でも、意味のあるデザインの積み重ねが、長期的なブランド力を形づくります。ぜひ日々の選定に、“意図ある設計”という視点を加えてみてください。